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トマト:トマトのシュート分裂組織の大きさはアラビノシルトランスフェラーゼのカスケードが制御する

Nature Genetics 47, 7 doi: 10.1038/ng.3309

植物のシュートにある分裂組織は、ホメオボックスWUSCHELWUS)遺伝子およびCLAVATACLV)遺伝子のシグナル伝達経路を含む典型的なフィードバック回路を通じて絶え間なく補充される幹細胞によって構成されている。CLVシグナル伝達では、糖鎖付加された分泌型ペプチドCLV3がCLV1受容体複合体に結合する。しかし、CLV3修飾の原因経路、およびそのCLVシグナル伝達との関連性は知られていない。今回我々は、分裂組織の大型化によって花器官および果実器官を過剰に形成するトマト花序分枝変異体が、アラビノシルトランスフェラーゼ遺伝子を欠いていることを明らかにしたので報告する。最も極端な変異体はヒドロキシプロリン O-アラビノシルトランスフェラーゼが破壊されており、これはアラビノシル化CLV3で改善される。軽度の変異体ではアラビノース鎖を伸長させるアラビノシルトランスフェラーゼが欠損しており、分裂組織の大きさを維持するためにはCLV3が十分にアラビノシル化されている必要があることが分かった。さらに、CLV3の変異は栽培化の過程で果実を大型化させたことを見つけた。我々の知見は、植物の幹細胞増殖制御に新しい階層の複雑性を見いだすものである。

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