Analysis

薬剤開発:承認薬の適応におけるヒト遺伝的エビデンスの利用

Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3314

臨床開発に入った薬の4分の1以上は、効果がないため脱落する。ヒトの病気に影響を及ぼす遺伝子についての知見が増大しており、それらは、薬剤の標的や適応を選択する際に役に立つだろう。しかし、これらの重要な決断をするにあたり、遺伝的エビデンスに対してどれほどの重みを置くかについての手引きはほとんどない。この問題に答えるために、現在の遺伝的エビデンスのアーカイブがいかに適切に薬剤の機序を予測し得るかについて調べた。きちんと研究された適応について調べたところ、直接的な遺伝的裏付けを用いた薬剤機序の割合は、前臨床段階では2.0%だったものが承認薬の機序の段階では8.2%というように、薬剤開発パイプライン中で著しく増加しており、その数字は病気の領域によって大きく異なっていることが分かった。遺伝学的裏付けのある標的を選択することにより、臨床開発の成功率は2倍にできると見積もっている。従って、最善の標的と適応を選択するために、増大し続ける大量のヒト遺伝学的データを使うことは、新薬開発の成功に重要な影響を与えるに違いない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度