腎明細胞肉腫：BCOR遺伝子内にインフレームで生じるタンデム重複の頻発が腎明細胞肉腫の特徴である

腎明細胞肉腫（CCSK）は小児の腎腫瘍の中で主要なものの1つであるが、これに関わる遺伝的異常についてはほとんど不明である。我々は、BCOR遺伝子（BCL6コリプレッサー）内にインフレームで生じるタンデム重複がCCSKの腫瘍の100％（20/20）で同遺伝子のC末端に異常をきたしているが、その他の小児腎腫瘍では皆無（0/193）であることを見つけた。CCSKは1個の異常なBCORの対立遺伝子のみを発現しており、BCORの異常とCCSK発がんとの密な相関を示している。