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ダイズ:カルシニューリン様タンパク質をコードするGmHs1-1はダイズの種子の固さを制御する

Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3339

多くのマメ科作物の栽培化では、栄養価の高い種子の生産を増進するうえで、種皮の不透水性の消失が非常に重要であった。今回我々は、野生ダイズ種皮の不透水性がGmHs1-1という単一の遺伝子によって制御されていることを明らかにした。この遺伝子は、カルシニューリン様のメタロホスホエステラーゼ膜貫通タンパク質をコードしている。GmHs1-1は基本的に種皮のマルピーギ層(表皮)で発現し、カルシウム量と関係している。栽培化されたダイズの、不透水性から透水性への変化は、GmHs1-1の点変異の人為的選択に起因していた。興味深いことに、いくつかのダイズ在来種は透水性の選択を受けていないが、これは、それとは別にやはり種子の吸水を可能とする種皮の亀裂が選択されたためであった。変異対立遺伝子Gmhs1-1は単一起源であるが、ダイズの集団構造に即した対立遺伝子バリアントの分布パターン、および野生ダイズと栽培種間のゲノムの遺伝子移入に見いだされた特徴は、Gmhs1-1が種皮の透水性をめぐる再選択を受けた可能性を示唆している。

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