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アミラーゼ:ヒトアミラーゼ遺伝子座の構造とSNP、ハプロタイプ、肥満との関係
Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3340
ヒトゲノム中には、構造的に複雑な領域のためにほとんど理解されていない遺伝子がいくつも存在する。そのような領域の1つが、デンプンを糖に消化する働きを担う3つのアミラーゼ遺伝子(AMY2B、AMY2A、AMY1)を含む部位だ。肥満に対するゲノムワイド関連解析では、この座位は有意な関連を示していないが、AMY1のコピー数は、肥満に対して最も大きな遺伝的影響を及ぼすことが報告されている。全ゲノム塩基配列決定法による解析、ドロップレットデジタルPCR、ゲノムマッピングを用いて、アミラーゼ座位の変異の歴史を示唆する8つのありふれた構造ハプロタイプを同定した。個人のゲノム中のAMY1のコピー数は一般的に(偶数ではなく)奇数であり、ボディマス指数(BMI)とは関連しない近傍のSNPと一部関連していることを見いだした。アミラーゼ遺伝子のコピー数の測定を、1,000人の肥満あるいはやせ型のエストニア人、および他の2つのコホートの合計約3,500人に対して行った。BMIに影響を与える報告のうちの下限と同定度のものは99%の検出力で見つかったが、関連は認められなかった。