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イネ:OsSPL16-GW7調節モジュールは穀粒の形状を決定づけてイネの収量と穀粒品質を同時に改善する
Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3352
ハイブリッドライス品種という形で雑種強勢を実用化したことはイネの穀粒収量を増加させたが、穀粒品質の改善は課題として残されている。今回我々は、イネの穀粒品質に関する量的形質遺伝子座qGW7が、GW7の対立遺伝子多様性を反映することを明らかにした。遺伝子GW7は、ヒト中心体タンパク質CAP350のC末端モチーフと類似するTONNEAU1動員モチーフタンパク質をコードしている。GW7発現の上方制御は、縦方向の細胞分裂を増加させて横方向の細胞分裂を減少させることにより、細長い穀粒の生産と相関していた。粒幅を調節するSBPドメイン転写因子OsSPL16(GW8)はGW7のプロモーターに直接結合し、その発現を抑制した。熱帯ジャポニカイネの半優性GW7TFA対立遺伝子の存在は高い穀粒品質と関係しており、バスマティのgw8対立遺伝子が引き起こす収量低下は認められなかった。このように、OsSPL16-GW7モジュールの操作は、イネの収量と穀粒品質を同時に改善するための新たな戦略を示している。