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リンパ腫:皮膚T細胞リンパ腫のゲノムの全体像
Nature Genetics 47, 9 doi: 10.1038/ng.3356
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は、皮膚にホーミングするTリンパ球の非ホジキンリンパ腫である。本論文では、純化したCTCLおよび対応する正常細胞について、エキソームと全ゲノムDNAの塩基配列解読、およびRNAの塩基配列解読を行った。その結果から、CTCLの発症機序には、T細胞活性化やアポトーシス、NF-κBシグナル伝達、クロマチンリモデリング、DNA損傷応答に関与する遺伝子を含む、17の遺伝子の変異が関与していることが示された。CTCLでは、体細胞コピー数多型(SCNV)が全ドライバー変異の92%を占めていることが特徴的である(1試料のCTCLあたり病原性SCNVは平均11.8個であるのに対し、体細胞一塩基バリアントは平均1.0個)。これらの知見は新しい治療法に示唆を与えるものである。