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胆道がん:胆道がんの大規模ゲノム解析
Nature Genetics 47, 9 doi: 10.1038/ng.3375
肝内胆管がん(ICC)、肝外胆管がん(ECC)、胆嚢がんを含む胆道がん(BTC)の発生頻度は世界的に増加している。しかしながら、現時点では効果的な分子標的治療は認められていない。今回、260例の胆道がんについて分子的な特徴付けを行い、新しい分子標的治療の対象を含めたゲノム異常の全体像を明らかにした。胆嚢がんと肝外胆管がんにおいてAPOBEC関連変異シグネチャーの貢献度が段階的に多いことが観察された。ELF3を含む32の統計的に有意なドライバー遺伝子が同定され、およそ40%の症例は治療標的となり得る何らかの遺伝子変異を持っていた。FGFR2融合遺伝子はICCに、PRKACAならびにPRKACB融合遺伝子はECCに選択的に起こっており、また注目すべきことに、治療標的となり得る増殖因子経路異常には発生部位特異的な分布が認められた。最も予後の悪いサブグループでは、変異が高度に蓄積した腫瘍が有意に集積しており、免疫チェックポイント分子の特徴的な発現上昇が認められた。これらの患者に対しては、免疫調節療法も有望な治療選択肢となり得る可能性がある。