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花粉媒介者:花粉媒介者の選好性および生殖的隔離に影響する重要な形質である花のUV吸光度の高下はMYB-FLが制御する

Nature Genetics 48, 2 doi: 10.1038/ng.3462

花粉の新しい花粉媒介者への適応には花の形質が複数関与し、そのそれぞれには複数の遺伝子の協調的な変化が必要となる。この遺伝学的な複雑さにもかかわらず、被子植物進化の過程では「受粉シンドローム」という花の特徴の変化がたびたび起こっている。今回我々は、夜行性の花粉媒介者を誘引するための重要な形質である花のUV吸光度の遺伝的基盤について研究した。ペチュニアでは、単一遺伝子MYB-FLの変異がUV吸光度の2つの変化を説明する。ハチによる受粉からガによる受粉への移行におけるUV吸光度の上昇はシス調節変異によって決定され、一方、ガによる受粉からハチドリによる受粉への移行ではフレームシフト変異がUV吸光度低下をもたらした。MYB-FLの機能の違いは、種分化の過程を推察したり、出現しつつある種間の系統関係を明らかにするに役立つ知見である。

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