Article

繊毛:繊毛病関連CPLANEタンパク質は繊毛内輸送機構の基底小体への動員を指示する

Nature Genetics 48, 6 doi: 10.1038/ng.3558

繊毛は、微小管を基盤とする繊毛内輸送(IFT)を使い、細胞内のシグナル伝達をオーガナイズする。繊毛病とは、繊毛の構造あるいは機能の異常により生じる一連のヒト疾患である。繊毛の多タンパク質複合体の会合や、これらの複合体の繊毛基底部への輸送を調節する機構はこれまでほとんど解明されていない。平面内細胞極性に関与するタンパク質(Inturned、Fuzzy、Wdpcp)のプロテオミクス、in vivoイメージング、遺伝学的解析を組み合わせることで、新しい遺伝学的モジュールの同定と特徴を明らかにした。そのモジュールをCPLANE〔ciliogenesis and planar polarity effector(繊毛形成および平面内極性のエフェクター)〕と名付け、関連する大規模なタンパク質ネットワークを明らかにした。CPLANEタンパク質群は基底小体において、繊毛病に関わるが機能が定かでないタンパク質Jbts17と物理的および機能的に相互作用する。これらのタンパク質は、基底小体でIFT-Aタンパク質の特定のサブセットを動員する働きをしている。CPLANEが存在しないと、IFT-A分子群の軸糸への移行の欠如や、IFT-Bの輸送が大きく乱れる。それゆえ、マウスモデルにおけるCPLANE遺伝子群の変異は、ヒト繊毛病患者に準じる繊毛病特異的な表現型を誘発する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度