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血液学:希少および一般的なエキソームチップバリアントのメタ解析から、血球の形質に影響を及ぼすS1PR4などの座位を同定

Nature Genetics 48, 8 doi: 10.1038/ng.3607

ヘマトクリット値や白血球(WBC)数などの血液学的測定値は、臨床的に重要な遺伝性形質である。我々は、イルミナ社のHumanExome BeadChipによるジェノタイピングにより、集団を基盤とする16のコホートからなる52,531人(ヨーロッパ系の人37,775人、アフリカ系米国人11,589人、ヒスパニック系米国人3,167人)において赤血球とWBCの表現型を解析した。次に、新しい発見については、ヨーロッパ系米国人女性18,018人と中国漢民族系5,261人において追試解析し、再現性を確認した。その結果、赤血球形質に関連する新しい4座位(CEP89SHROOM3FADS2およびAPOE)と、WBC形質の好中球数(S1PR4)、単球数(BTBD8NLRP12IL17RA)、好酸球数(IRF1)、総WBC数(MYB)に関連する新しい6座位を同定し、再現性を確認した。S1PR4の希少なミスセンスバリアントに見つかった関連は、白血球の移動や末梢血中好中球数においてスフィンゴシン-1-リン酸シグナル伝達が役割を果たすことを支持するものである。マウスにおけるS1pr4、ゼブラフィッシュにおけるs1pr4の機能喪失実験から、ヒトで観察される関連と一致した表現型と、組織損傷に応答した好中球の動員と解消の動態の変化が示された。

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