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概日時計:ADARB1は概日性A-to-I RNA編集を介してRNA変動リズムを調節している

Nature Genetics 49, 1 doi: 10.1038/ng.3731

CLOCKとARNTL(BMAL1)との複合体は、何千もの遺伝子のリズミックな転写を促進する。このような遺伝子には、CLOCK–ARNTLによる転写の抑制因子をコードしているPerおよびCryファミリーの遺伝子が含まれる。しかし最近の研究報告によると、概日性の発現変動リズムを示すmRNAの70〜80%はde novo転写レベルでは明瞭なリズムを示さないことが明らかになっており、転写後制御の重要性が指摘されている。今回、我々が以前に行ったCLOCK-ChIP-seq解析のデータをもとに、アデノシンからイノシンへのRNA編集(A-to-I editing)酵素であるRNA特異的アデノシンデアミナーゼB1(Adarb1、別名:Adar2)の発現変動リズムを見つけた。さらにRNA-seq解析から、多様な転写産物において、ADARB1によるA-to-I RNA編集レベルが概日リズムを示すことを明らかにした。一方、Adarb1ノックアウトマウスでは、多くのmRNA発現プロファイルの概日リズム性が消失した。つまり、ADARB1によるA-to-I RNA編集が数多くのRNA量の変動リズムに広範な作用を及ぼすことが示唆された。さらにAdarb1ノックアウトマウスでは、輪回し行動リズムや遺伝子発現リズムが短周期性を示した。この原因は、時計タンパク質CRY2の異常蓄積であることが確かめられた。今回の研究から、A-to-I RNA編集を介した転写後制御は、概日時計の機能発現において極めて重要な機序の1つであることが明らかになった。

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