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非対称性:ヒラメのゲノムとトランスクリプトームはカレイ類の非対称性に関する洞察をもたらす

Nature Genetics 49, 1 doi: 10.1038/ng.3732

カレイ類は、体の形態の非対称性が最も極端な脊椎動物である。変態時に一方の眼が頭蓋の反対側へ移動するが、この移動は、頭蓋顔面の大規模な変形と同時に左右非対称的な体の色素形成を伴う。この発生学的および生理学的な新奇性の進化に関する謎は解明されていない。カレイ類2種の比較ゲノミクスおよび変態中のトランスクリプトーム解析により、甲状腺ホルモンおよびレチノイン酸シグナル伝達の役割と、光伝達経路の重要性が明らかになった。レチノイン酸は、非対称的な色素形成の成立に必須であるとともに、甲状腺ホルモンとのクロストークにより、眼の移動の調節にも不可欠であることが示された。皮膚において光伝達経路の視覚オプシンが予想外に発現することは、明るさの違いを理解して、非対称性を生む基盤であるレチノイン酸勾配を生じる。この独特の発生過程の遺伝的基盤が明らかにされたことで、非対称性の進化的起源に関する長年の問題への答えが得られたが、それだけでなく、脊椎動物の体形を制御するメカニズムに関する洞察も得られた。

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