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ヒストン:コアヒストンH4に影響を及ぼす生殖細胞系列変異は、DNA損傷応答および細胞周期制御を障害して先天異常症候群を引き起こす

Nature Genetics 49, 11 doi: 10.1038/ng.3956

ヒストンの共有結合修飾は、クロマチンエフェクターとしてDNAの複製や転写などの過程を制御し、ヌクレオソームの構造を修復もしくは調整することはよく知られている。ヒストンN末端テールにおける修飾の喪失は、それがヒストン修飾複合体の遺伝子の変異によるものであれ、ヒストンテールに直接影響を及ぼす変異によるものであれ、発達障害や腫瘍形成の原因となる。最近では、ヒストンの球状コアにおける修飾が、DNA修復、分化多能性、発がんに重要な役割を果たしていることが分かってきている。ここでは、コアヒストンH4のリシン91(H4K91)に影響を及ぼす片方の対立遺伝子のミスセンス変異を発育遅延、小頭症、知的障害からなる症候群を呈する3人の患者から検出したので報告する。このヒストンH4変異体をゼブラフィッシュ胚で発現させると、患者に見られた発達異常が再現される。このヒストンH4の異常がゲノム不安定性を引き起こし、発生初期におけるアポトーシス亢進と細胞周期進行の異常をもたらすことを示す。我々の知見から、H4K91のユビキチン化が胚発生時のゲノム安定性に重要な役割を担うという機構が示唆された。

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