Editorial ゲノムはまるごとバイオ創薬に使える 2017年2月1日 Nature Genetics 49, 2 doi: 10.1038/ng.3788 現在の治療薬の主流は、体内のタンパク質活性を標的とし、代謝や遺伝子発現に対する治療効果あるいはオフターゲット効果をもたらす低分子化合物である。今や、ゲノム配列標的型の治療薬ならば、ゲノムのほとんどあらゆる全ての部位について、遺伝子発現のレベルを上げたり下げたりできるようになり、また、このような治療薬の効果の検証も、ゲノム編集で作製した実験動物やヒト細胞の前臨床モデルを使って行えるようになった。そして、最新のタンパク質標的型治療薬がどのように作用するのかを明らかにしたり、また、ヒトゲノムに見られる調節配列のバリエーションを利用した標的遺伝子調節治療を開発したりするときに、最も重要な研究手法は何かといえば、疾患素因、代謝、遺伝子発現についてのゲノムワイド関連解析(GWAS)なのである。 Full text PDF 目次へ戻る