Letter

急性巨核芽球性白血病:小児の非ダウン症急性巨核芽球性白血病はさまざまな転帰を伴う固有のゲノムサブセットを持つ

Nature Genetics 49, 3 doi: 10.1038/ng.3772

急性巨核芽球性白血病(AMKL)は急性骨髄性白血病(AML)の一亜型で、その細胞の形態は異常な巨核芽球に類似する。AMKLは成人では稀だが、AMLと新たに診断された小児症例の4〜15%はAMKLである。ダウン症候群でない患者のAMKL(非DS-AMKL)は、予後が悪いことが多い。これまでの研究から、非DS-AMKLのかなりの症例で、がん遺伝子のキメラが見つかっており、RBM15-MKL1CBFA2T3-GLIS2KMT2A遺伝子再編成、NUP98-KDM5Aなどがある。しかしながら、30〜40%の症例の発症機序は不明である。非DS-AMKLのゲノム全体像を把握するため、99人の患者(75小児、24成人症例)由来の試料についてRNAおよびエキソームの塩基配列決定を行った。その結果、小児の非DS-AMKLはさまざまな転帰を示す7つの亜群に分類することができる不均一な悪性腫瘍であることが分かった。これらの亜群は、キメラがん遺伝子と協働する変異がエピジェネティクスやキナーゼシグナル伝達の遺伝子に見られるという特徴を持っている。まとめると、これらのデータはAMKLの病因を明らかにし、治療の計画立案に有益な情報を提供するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度