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神経疾患:ヒトDCCの両対立遺伝子性変異は発生学的なsplit-brain syndrome(分離脳症候群)を引き起こす

Nature Genetics 49, 4 doi: 10.1038/ng.3804

脳の運動性、感覚性、統合性の活動は、正中線を越えて対側に投射する一連の神経交連によって調整され、また交連の発生は厳密に調節されている。本論文では、これらの交連が広範囲に破壊されているため、水平注視麻痺、脊柱側湾、知的障害の臨床症状が引き起こされるヒトの新しい症候群を報告する。罹患者は、軸索ガイダンス因子の受容体DCC(deleted in colorectal carcinoma)をコードする遺伝子の両対立遺伝子性の機能喪失変異を持つことが分かった。DCCのヘテロ接合性変異の場合、先天性の鏡像運動に関与することが示されていたが、両対立遺伝子性の機能喪失の場合のヒト表現型は報告されていなかった。構造的MRIと拡散トラクトグラフィーから、脳脊髄軸の多数のレベルで全交連路が喪失するなど、ヒトの中枢神経系(CNS)全体で白質路の広範囲にわたる破壊があることが示された。これらの知見を、動物モデルのデータと結合することにより、DCCは正中交差やヒトのCNS全体での白質投射の発生の重要なマスター調節因子であることが分かった。

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