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神経芽細胞腫:転写回路によって決定される神経芽細胞腫の細胞特性の不均一性

Nature Genetics 49, 9 doi: 10.1038/ng.3921

神経芽細胞腫は、末梢交感神経系の腫瘍で、多分化能を持つ神経堤細胞(NCC)由来である。神経芽細胞腫の遺伝子発現プログラムを制御するコア調節回路(CRC)を明らかにするために、神経芽細胞腫のスーパーエンハンサーの全体像を捉え、それを解析した。神経芽細胞腫の多数の細胞株を調べることで異なる特性を持つ3種類のタイプを見いだした。つまり、1つ目は交感神経系のノルアドレナリン産生特性で、PHOX2B、HAND2およびGATA3の転写因子(TF)を含むCRCモジュールにより規定される。2つ目はNCC様の特性で、AP-1 TFを含むCRCモジュールにより規定される。3つ目は、これら2つの混合型で、さらに単一細胞レベルでも明らかにした。混合型に化学療法薬を投与すると、NCC様細胞が豊富に存在するようになった。また、ノルアドレナリン産生モジュールはChIP–seqによって確認された。機能研究から、ノルアドレナリン産生の特性を持つ神経芽細腫がPHOX2Bに依存していることが実証され、細胞系譜依存性が想起された。ほとんどの神経芽細胞腫の原発性腫瘍はノルアドレナリン産生やNCC様のモジュールのTFを発現していた。我々のデータは、神経芽細胞腫の治療戦略に関係する腫瘍不均一性のこれまでに知られていなかった面を実証している。

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