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クロマチン:胚性幹細胞のバイバレントなプロモーターは開いたクロマチン構造を支持する

Nature Genetics 50, 10 doi: 10.1038/s41588-018-0218-5

胚性幹細胞(ESC)では、発生遺伝子のプロモーターがMLL2複合体とポリコーム複合体によって同時に修飾を受けるバイバレントなクロマチン状態を取ることを特徴とする。バイバレントであることは胚形成に不可欠であるにもかかわらず、その機能はあまりよく分かっていない。本論文では、MLL2がESCゲノムの秩序に中心的役割を担っていることを示す。ESCにおいてbona fideバイバレント遺伝子のカタログを作成し、MLL2の喪失がポリコームによる占有の増加につながることを実証した。その結果、プロモーターは接近性を消失し、長距離での相互作用が再配置され、ESCは分化しなくなった。バイバレントであることによって、プロモーターの接近性と長距離相互作用のバランスが取られ、発生遺伝子の発現の適切な調節が可能になることが示された。

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