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微生物相:心血管疾患関連タンパク質レベルの個人間差異は遺伝学的性質や腸の微生物相によって引き起こされる
Nature Genetics 50, 11 doi: 10.1038/s41588-018-0224-7
心血管疾患における腸マイクロバイオームの役割は、一連の証拠が集まってきているにもかかわらず、いまだ明らかになっていない。本論文では、集団コホートであるLifeLines-DEEPにおいて、心血管疾患関連の92のタンパク質の血漿濃度について、ゲノム規模およびメタゲノム規模の関連解析を体系的に行ったことを示す。73のタンパク質についての遺伝的な関連と、41のタンパク質についての微生物との関連が明らかになり、そのうちの31は両方と関連が見られた。特定された遺伝要因および微生物要因は主に相加効果を発揮し、まとめて最大76.6%(平均17.5%)の個体間多様性を説明した。遺伝要因は免疫関連タンパク質の濃度に最も関係しており、腸マイクロバイオームは代謝や腸の健康に関与するタンパク質に最も関係していた。上皮機能、脂質代謝、および中枢神経系機能に関与するタンパク質に影響を及ぼすいくつかの宿主–微生物相互作用が見つかった。この研究は、心血管疾患において遺伝的影響と微生物の影響が統合されるという重要な証拠を示し、また、個別化医療への将来の考慮の必要性を示している。