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一次繊毛と肥満:ニューロンの一次繊毛でのMC4RとADCY3の細胞内共局在は肥満の遺伝的素因となる共通経路の基礎である

Nature Genetics 50, 2 doi: 10.1038/s41588-017-0020-9

ヒトの肥満の単一遺伝子性症例のほとんどは、レプチン–メラノコルチン経路の因子をコードする遺伝子の変異に結び付けられる。特に、メラノコルチン4受容体遺伝子MC4Rの変異は、ヒトの全ての重症肥満症例の3~5%を占める。最近、ADCY3(アデニリルシクラーゼ3)遺伝子の変異が肥満に関与することが示された。ADCY3はニューロンの一次繊毛(シグナル伝達経路の選択のハブとして機能する細胞小器官)に局在している。一次繊毛の機能を破壊する変異は、繊毛関連疾患を引き起こす。この疾患は、希少な劣性遺伝性の多面発現疾患で、肥満が主要な症状である。本論文では、MC4Rが、ある視床下部ニューロンの一次繊毛でADCY3と共局在すること、肥満関連MC4R変異が繊毛への局在を障害すること、また、これらのニューロンの一次繊毛においてアデニリルシクラーゼのシグナル伝達を阻害すると体重が増加することを実証する。これらのデータから、MC4Rニューロンの一次繊毛からのシグナル伝達の障害が、ヒトの肥満の遺伝的原因の基礎となる共通経路であることが示された。

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