Article

パイオニア転写因子:パイオニア因子Pax7は細胞運命の指定のために安定なエンハンサーレパートリーを用いる

Nature Genetics 50, 2 doi: 10.1038/s41588-017-0035-2

パイオニア転写因子は、クロマチンリモデリングを開始させることで新しい細胞運命を開く能力を確立する。しかし、パイオニア因子の動態あるいは安定性など、その機能の特徴はほとんど明らかになっていない。本論文では、Pax7がエンハンサーの独特なレパートリーを開放することが、ある下垂体の細胞系譜を指定するのに必要かつ十分であることを示す。Pax7は迅速にその標的エンハンサーに結合するが、クロマチンリモデリングや遺伝子の活性化はゆっくり起こる。Pax7がエンハンサーを開放すると、DNAメチル化が喪失し、エンハンサーは安定したエピジェネティックの記憶を獲得する。これはPax7除去後に非パイオニア転写因子が結合することによって裏付けられた。この研究は、一過性のPax7発現が細胞のアイデンティティーの安定した指定に十分であることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度