Analysis
てんかん:てんかんを伴う神経発達障害で見つかるde novoバリアント
Nature Genetics 50, 7 doi: 10.1038/s41588-018-0143-7
てんかんは神経発達障害(NDD)で頻繁に観察される特徴であるが、てんかんを併発するか否かによるNDDの遺伝的差異についてはほとんど知られていない。今回、さまざまなNDDを発症している6753組の両親と子のトリオを対象に、de novoバリアント(DNV)を詳細に調べた。その結果、てんかんを併発しているNDD患者1942例において、DNVが極めて多量に見つかる33の遺伝子を特定した。そのうち、SNAP25およびGABRB2については、疾患との関連の証拠がこれまでごく限定的なものしか得られていないものであった。また、NDD患者全例を合わせて解析した結果、CACNA1Eが新規の疾患関連遺伝子であることが示唆された。てんかんを併発している場合としていない場合を比較した結果、てんかんに関連する因子は、ミスセンス変異型DNV、特定の遺伝子のDNV、研究に参加した年齢、および知的障害の重症度であることが分かった。さらに、今回の結果は、現行の遺伝子検査と治療の両方にかなりの影響を与えるものであることが分かり、てんかんを伴うNDDに対する正確な遺伝子診断にメリットがあることが明確になった。