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小人症:DNMT3Aの機能獲得変異は小頭性小人症とポリコーム調節領域の高メチル化を引き起こす

Nature Genetics 51, 1 doi: 10.1038/s41588-018-0274-x

DNAメチル化やポリコームは、脊椎動物において細胞のアイデンティティーや運命の確立に重要な要因である。本論文では、DNAメチルトランスフェラーゼDNMT3AをコードするDNMT3Aのde novoミスセンス変異について報告する。これらの変異は、細胞数の減少をもたらし、全身性の極端な成長不全となる小頭性小人症を引き起こす。DNMT3AのPWWPドメインに置換が起こることにより、ヒストン修飾されたH3K36me2やH3K36me3への結合ができなくなり、患者細胞でのDNAメチル化が変化する。発生遺伝子群を含む低メチル化ドメインであるポリコーム関連DNAメチル化の谷は、メチル化されて、H3K27me3とH3K4me3のバイバレント標識が同時に消去されるようになる。このようなde novoのDNAメチル化は、in vitroにおけるDnmt3aW326R多能性細胞の分化の際にも起こり、また、Dnmt3aW326R/+矮小マウスでも顕著であった。従って我々は、DNMT3A PWWPドメインとH3K36me2やH3K36me3との相互作用が、通常はポリコームに標識される領域のDNAメチル化を制限すると提案する。我々の知見は、重要な発生調節因子でのDNAメチル化とポリコームの間の相互作用が哺乳類の個体サイズの決定要因に関わっていることを示している。

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