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喫煙・飲酒:最大120万人の関連解析から得られた喫煙および飲酒の遺伝的原因に関する新たな知見

Nature Genetics 51, 2 doi: 10.1038/s41588-018-0307-5

喫煙と飲酒は主要な死亡要因であり、多くの複合疾患のリスクに影響を与える。どちらも遺伝性があり、病因として互いに関連性を持つ行動であるが、関与する遺伝子を特定しようとする試みはあまりうまくいっていない。本研究では、最大で約120万人にも及ぶ規模の集団において、喫煙に関するいくつかの指標(開始年齢、禁煙経験、喫煙量)ならびに飲酒に関連を有する566の遺伝的バリアントを406座位に発見した。そのうち150の座位には多面的関連が認められた。喫煙に関する表現型は、多くの病的状態との間に正の遺伝的相関が認められた。それに対して、飲酒とこれらの表現型の間には負の相関が見られ、飲酒の遺伝的リスクの上昇は疾患リスクの低下と関連していた。また、喫煙と飲酒にはニコチン性、ドーパミン作動性、グルタミン酸作動性の神経伝達に関係している遺伝子をはじめとする、多くのシステムが関わっている証拠を報告する。本研究の結果は、発見された座位の効果をモデル生物において評価したり、嗜好品のより詳細な指標を評価したりする際の確かな出発点となるだろう。

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