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自閉スペクトラム症:自閉スペクトラム症のありふれた遺伝的リスクバリアントの同定
Nature Genetics 51, 3 doi: 10.1038/s41588-019-0344-8
自閉スペクトラム症(ASD)は、遺伝率の高い神経発達症群であり、小児の有病率は1%を超える。ASDに対する感受性には、ありふれた遺伝的バリアントが大きく寄与しているが、ASDとの強い関連を有する単一のバリアントはこれまで見つかっていない。ここでは、独自のデンマーク人集団からのデータを加えることでサンプルサイズを大幅に拡大したゲノムワイド関連解析(GWAS)のメタ解析(ASD1万8381人、対照2万7969人)について報告する。この解析により、ゲノム規模レベルで有意な5つの座位が同定された。遺伝学的基盤に共通する部分の多い3つの表現型(統合失調症、大うつ病、および学歴)に関するGWASの結果を利用して、ASD以外の表現型と共通する7つの座位が、上記と同様の有意水準でさらに同定された。また、遺伝学的基盤の多遺伝子性の詳細な解析により、ASDの各サブタイプの間に見られる定量的ならびに定性的な遺伝的異質性が明らかになった。これらの結果は、特にニューロンの機能および大脳皮質形成に関する生物学的知見を提供しており、今後、規模をさらに拡大したGWASを実施することで、ASDについてのより多くの知見が得られるであろう。