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神経変性疾患:神経核内封入体病、眼咽頭遠位型ミオパチー、ならびに所見の一部が重複した疾患における非コードCGG反復配列の伸長
Nature Genetics 51, 8 doi: 10.1038/s41588-019-0458-z
非コード領域に見られる反復配列の伸長変異は、筋強直性ジストロフィー、脆弱X関連振戦/失調症候群、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、良性成人型家族性ミオクローヌスてんかんなど、さまざまな神経筋疾患を引き起こすことが知られている。神経核内封入体病(NIID)の臨床所見および神経画像所見が、FMR1における非コードCGG反復配列の伸長によって引き起こされる脆弱X関連振戦/失調症候群のものと極めて類似していることから、本研究では反復配列の伸長変異を直接探索することにより、NBPF19(NOTCH2NLC)における非コードCGG反復配列の異常伸長を原因変異として同定した。さらに、臨床所見および神経画像所見がNIIDのものと類似している別の2疾患(白質脳症を伴う眼咽頭型ミオパチー、眼咽頭遠位型ミオパチー)についても、それぞれLOC642361/NUTM2B-AS1およびLRP12における同様の非コードCGG反復配列の伸長変異が原因であることを見いだした。これらの知見は、同じ反復モチーフの伸長によって引き起こされる疾患群の臨床スペクトルに関する我々の知識を広げるとともに、伸長した反復配列を直接探索するアプローチが疾患の原因変異の同定に有効であることを示している。