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DNA修復:DNA架橋修復は減数分裂前の生殖細胞発生過程でゲノム安定性を保障する

Nature Genetics 51, 8 doi: 10.1038/s41588-019-0471-2

生殖細胞系列で生じる新生変異は進化的多様性の源であるが、遺伝性疾患の原因ともなり得る。しかし、変異誘発の分子的起源や機序および時期についての理解は完全なものではない。本研究では、生殖細胞系列におけるDNA鎖間架橋修復の基本的な役割を明らかにする。この修復機構は胚発生中の始原生殖細胞(PGC)の成熟に不可欠である。架橋修復の不活性化は、生殖隆起に位置するPGCのみに、ごく短い期間に限って遺伝的不安定性を生じさせる。PGCの転写プログラムがいったん活性化されると、強力な品質管理機構が損傷したPGCを検出してアポトーシスへと導く。これらの知見は、生殖細胞におけるDNA損傷の原因と、世代間でのゲノムの忠実な継承を確実にするDNA修復応答の詳細を明らかにするものである。

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