データ解析：耐久資産としての医療データ

ゲノミクスの研究を行う上で、医療データへのアクセスは極めて重要である。しかし、これらのメタデータ（観察可能な形質や表現型、診断名や投薬歴、ラベル）を扱おうとする研究者は、その情報の持つ複雑かつ慎重に取り扱うべき条件と格闘しなければならない。本稿では、ゲノミクスと人工知能が隆盛を極める現在、データ生成、データインフラストラクチャー、データ管理のいくつかの重要な側面が、データエコシステムの柱であることを論じる。プライバシーにまつわる数多くのリスクと、医学研究を遂行する上での幾多の障害は、新しい堅牢なデータ分析手法によって回避ないしは緩和することができる。また、医療データが機関を離れて個人の管理下に置かれた場合に、何が起こり得るかについて議論する。そのようなデータ所有権の移行は、さまざまな分野に大きな混乱と機会とをもたらす可能性がある。