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エピジェネティクス:BAHCC1は保存されたBAHモジュールを介してH3K27me3に結合し、遺伝子サイレンシングと発がんを仲介する
Nature Genetics 52, 12 doi: 10.1038/s41588-020-00729-3
トリメチル化ヒストンH3リシン27(H3K27me3)は、遺伝子抑制、細胞運命決定、分化を調節する。我々は、保存されたBAHCC1のBAH(bromo-adjacent homology)モジュール(BAHCC1BAH)が、H3K27me3を特異的に「認識」し、哺乳類細胞においてH3K27me3により区別された遺伝子のサイレンシングを強化することを報告する。我々は生化学的解析、構造解析および統合的ChIP-seq解析により、BAHCC1によるH3K27me3の直接的な読み出しは、BAHCC1BAHにより形成される疎水性のトリメチル-L-リシン結合の「ケージ」を介して行われ、BAHCC1とH3K27me3標識遺伝子の共局在を仲介することを明らかにした。BAHCC1はヒトの急性白血病で高発現し、転写コリプレッサーと相互作用する。白血病において、BAHCC1を枯渇させたり、BAHCC1BAHとH3K27me3の相互作用を障害したりすると、腫瘍抑制や細胞分化に関与するH3K27me3の標的遺伝子の脱抑制が引き起こされ、腫瘍発生の抑制につながる。マウスでH3K27me3の結合を障害する生殖細胞系列変異をBahcc1に導入すると、部分的な出生後致死を引き起こし、発生における役割が示唆された。この研究により、保存されたBAH「読み取り因子」に依存するH3K27me3のシグナル伝達経路が哺乳類において特定された。