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遺伝性ニューロパチー:SORDの両対立遺伝子変異は、頻度が高く治療可能性のある遺伝性ニューロパチーの原因であり、糖尿病合併症に関与する

Nature Genetics 52, 5 doi: 10.1038/s41588-020-0615-4

ソルビトールデヒドロゲナーゼ遺伝子(SORD)の両対立遺伝子の変異が、劣性(潜性)遺伝性ニューロパチーの原因として最も頻度の高いものであることを報告する。さまざまな祖先を持つ38の家系から、SORDにc.757delG(p.Ala253GlnfsTer27)ナンセンスバリアントをホモ接合もしくは複合ヘテロ接合で有する45人の患者を同定した。SORDは、2ステップからなるポリオール経路においてソルビトールをフルクトースに変換する酵素であり、このポリオール経路は、糖尿病性ニューロパチーとの関連が報告されている。患者由来の繊維芽細胞では、SORDタンパク質が完全に消失し、細胞内ソルビトール濃度が上昇していることが分かった。さらに、患者の空腹時血清ソルビトール濃度は著明に上昇していた。SORDのオルソログの機能を喪失させたショウジョウバエ(Drosophila)は、シナプス変性と進行性の運動障害を呈した。アルドース還元酵素阻害薬を用いてソルビトールの取り込みを抑制すると、患者由来の繊維芽細胞およびショウジョウバエの細胞内ソルビトール濃度は正常化し、ショウジョウバエの運動障害および眼の異常も劇的に改善された。総括すると、本研究で得られた知見は、ニューロパチーの治療可能な原因を新たに明らかにし、糖尿病合併症の病態生理のより深い理解に貢献する可能性がある。

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