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小児期肝硬変:SKIメッセンジャーRNA監視経路を介して働くFOCADの欠失は、肝硬変を伴う小児疾患を引き起こす

Nature Genetics 54, 8 doi: 10.1038/s41588-022-01120-0

肝硬変は通常、生命に関わる遅発性の疾患で、肝臓の構造と機能を破壊する繊維性瘢痕と炎症を特徴とする。成人ではアルコール依存症や肝炎ウイルス感染症が典型的な原因であるが、小児期の病因はあまり理解されていない。本研究では、互いに血縁関係のない10家系から、症候群型の小児期肝硬変を呈する14人の小児について報告する。ゲノム/エキソーム塩基配列決定解析により、FOCADの潜性(劣性)変異が本疾患から分離された。focadを欠損したゼブラフィッシュはヒト疾患の表現型を再現し、肝臓において、メッセンジャーRNA(mRNA)分解プロセスの変化を特徴付けるシグネチャーを示した。患者初代細胞や、CRISPR-Cas9により不活性化させたヒト肝細胞株を用いて調べた結果、FOCADの欠乏は、RNAヘリカーゼSKIC2およびその補因子SKIC3のレベルを低下させることにより、SKI mRNA監視経路を損なわせることを見いだした。FOCADノックアウト肝細胞は、アルブミン発現の低下および、CCL2過剰産生を伴う持続的な傷害の徴候を示した。本研究の結果は、肝臓の恒常性維持におけるFOCADの重要性を明らかにし、CCL2/CCR2シグナル伝達経路の阻害による治療介入の可能性を示すものである。

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