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腫瘍の形質転換:非コード領域の変異がスーパーエンハンサーの再標的化の原因となり、B細胞リンパ腫プログレッションにおけるタンパク質合成の調節異常を引き起こす

Nature Genetics 55, 12 doi: 10.1038/s41588-023-01561-1

濾胞性リンパ腫から、MYCBCL2の再編成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫(ダブルヒットリンパ腫)への形質転換を示す縦断的な腫瘍のペアに対する全ゲノム塩基配列決定により、リンパ腫のプログレッション中に獲得されるコード領域と非コード領域のゲノム変化が見つかった。これらの形質転換に伴う変化の多くは、トポロジカルドメイン(TAD)に位置するDNA調節配列で反復的かつ局所的に起こり、具体的には、B細胞性非ホジキンリンパ腫のH3K27acスーパーエンハンサークラスター内に位置するH3K4me3プロモーター標識などが含まれる。形質転換に際しての変化が頻発することが分かっている領域の1つは、PAX5/ZCCHC7遺伝子対の発現に影響を与えるスーパーエンハンサーと重複していた。ZCCHC7は、TRAMP(Trf4/5-Air1/2-Mtr4 polyadenylation)様複合体のサブユニットをコードしており、リンパ腫の形質転換時にコピー数増加、染色体転座、エンハンサー再標的化による転写上昇を示した。その結果、リンパ腫細胞は、非コード5.8SリボソームRNAプロセシングの変化を介して、核小体の調節異常を示す。このように、リンパ腫プログレッション中に獲得される非コード変異は、非コードrRNAプロセシングに影響を及ぼし、その結果としてタンパク質合成が再配線され、リンパ腫プロテオームでの発がん性変化を引き起こすことが明らかになった。

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