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扁平上皮がん:HPV関連中咽頭がんにおける細胞の状態はゲノムおよびウイルスの不均一性に関連している

Nature Genetics 55, 4 doi: 10.1038/s41588-023-01357-3

頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)には、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされるがんが含まれる。本論文では、一細胞RNA-seqを用いて、HPV陽性およびHPV陰性の両方の中咽頭がんのプロファイリングを行い、腫瘍内および腫瘍間に高レベルの細胞多様性があることを明らかにした。第一に、個々の腫瘍内にはさまざまな染色体異常が検出され、このことから、ゲノム不安定性であることが示唆され、また、病理学的に陰性境界域(正常に隣接する部位)の組織であっても悪性細胞の同定が可能になった。第二に、HNSCCサブタイプや他の細胞状態(細胞周期、老化、上皮間葉転換など)に関して多様性があることが明らかになった。第三に、HPV陽性腫瘍内でウイルス遺伝子発現に不均一性があることが分かった。HPV発現は一部の細胞において喪失つまり抑制されていて、これはHPV関連の細胞周期表現型の減弱、治療への反応低下、浸潤の増加、予後不良に関連していた。これらの知見は、HPV陽性腫瘍の診断および治療の際にHPV発現の多様性を考慮すべきであり、予後に重要な影響を及ぼすことを示唆している。

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