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発生:ホメオボックス転写因子DUXBLは全能性の消失を制御する

Nature Genetics 56, 4 doi: 10.1038/s41588-024-01692-z

マウスでは、2細胞(2C)期胚から全能性が消失するには、2Cに伴う転写プログラムのサイレンシングが必要である。しかし、この過程に関与する分子機構はほとんど解明されていない。本論文では、2C特異的転写因子DUX(double homeobox protein)が、DUXBLの発現を誘導することで、必須の負のフィードバックループを仲介し、このサイレンシングを促進することを実証する。DUXBLは、DUX発現時特異的に、DUX結合領域へ接近できることが分かった。さらに、DUXBLは、遺伝子サイレンシングに関与するTRIMスーパーファミリーに属するTRIM24およびTRIM33と相互作用し、DUX発現時に核のフォーカスにおいてこれらと共局在することが明らかになった。重要なことに、DUXBLを過剰発現させると2Cに伴う転写が障害されるが、マウス胚性幹細胞でDuxblを不活化するとDUXによる2C転写プログラムの誘導が増強した。従って、胚におけるDUXBL欠損は、2C関連転写産物の持続的な発現を引き起こし、早期の発生停止をもたらす。我々の研究は、DUXBLが、全能性消失の必須の調節因子であり、細胞運命の最初の分岐を可能にすることを明らかにしている。

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