Research Highlights 多様な代謝様式をもつ光合成細菌Rhodopseudomonas palustrisのゲノム全塩基配列 2004年1月1日 Nature Biotechnology 22, 1 doi: 10.1038/nbt923 Rhodopseudomonas palustrisは、代謝様式が最も多様であることが知られている細菌の一種である。エネルギーの獲得には、光のほか無機または有機化合物が利用される。炭素は種々の緑色植物由来化合物からの取り込みまたは炭酸固定によって獲得し、窒素固定を行う。本論文で配列を紹介するR. palustrisのゲノムは、5,459,213塩基対(bp)の環状染色体および8,427 bpのプラスミドによって構成され、環状染色体には遺伝子4,836個の存在が推定されている。塩基配列からは、3種類のニトロゲナーゼ、5種類のベンゼン環開裂経路および4種類の集光複合体2系を含め、上記の代謝に関してきわめて多様な選択肢を与える遺伝子が発見されている。シグナル伝達ヒスチジンキナーゼは63個、レスポンスレギュレーターのレシーバー領域は79個がコードされている。ゲノムの約15%が輸送を担っている。このゲノム配列は、生物の環境変動に応答した代謝装置統合法の研究モデルにR. palustrisを利用するときの出発点となるものである。 Full text PDF 目次へ戻る