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哺乳類細胞がもつセンス-アンチセンス転写物の系統的同定

Nature Biotechnology 22, 1 doi: 10.1038/nbt925

原核生物では、内因性のアンチセンスRNAが多数発見され、種々の生物学的機能を担っていることが明らかにされている。真核生物でもアンチセンスRNAは発見されているが、細胞内の重複転写物を同定する実験の方法論がないため、系統的なアンチセンスRNA同定は困難なものとなっている。今回我々は、ほかの転写物との長い相補的領域をもつ内因性mRNAの系統的同定を可能とする実験方法を開発した。ヒト正常乳腺上皮細胞および乳がん細胞にこの方法を適用した。センスおよびアンチセンス転写物の存在が種々の技術(例:ノーザンブロット、RT-PCR)を用いた実験で確認され、この方法の特異性が支持されている。特定のアンチセンスRNAを標的として介入すると、対応するmRNAの量が有意に変化し、同定したアンチセンスRNAの調節機能として妥当な結果が得られた。

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