Research Highlights 高処理能スクリーニングによる経皮透過促進物質の発見 2004年2月1日 Nature Biotechnology 22, 2 doi: 10.1038/nbt928 経皮薬物投与は注射よりも望ましいが、皮膚の透過性が低いため高分子には応用されていない。本論文では、皮膚刺激を誘発することなく高分子(約1~10 kDa)の皮膚透過性を最高約100倍に向上させる特殊な透過促進物質合剤を紹介する。その発見を可能としたのは、in vitro皮膚インピーダンス指標型高処理能スクリーニング(IN vitro Skin Impedance Guided High-Throughput;INSIGHT)という実験方法であり、効率は従来法の100倍を超える。ヘパリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、およびオリゴヌクレオチドなどの高分子物質が合剤の作用で皮膚を透過することが、in vitro実験で示された。無毛ラットを酢酸ロイプロリド処理したin vivo実験では、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLA)とフェニルピペラジン(PP)の合剤に関する有効性および安全性が確認された。本研究は、透過促進物質の使用によって経皮貼布剤から高分子が全身投与される可能性があることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る