Research Highlights 生物模倣型シリカ支持体への酵素の固定化 2004年2月1日 Nature Biotechnology 22, 2 doi: 10.1038/nbt931 活性を保持したまま生体分子を強固に固定化する技術には、多様な用途が考えられる。ケイ酸塩は、主としてゾル−ゲル複合体または修飾メソポーラスシリカの形でさまざまな生体分子の封入に利用されているが、化学合成条件が厳しいため用途が制約されている。珪藻のシラフィンポリペプチドは、中性pHおよび常温常圧でin vitroシリカ形成を触媒する。本論文では、シリカナノ粒子の沈殿生成過程で粒子内部に封入されたブチリルコリンエステラーゼが、活性を完全に保持していたことを示す。水溶性酵素の90%が固定化され、固定化酵素は遊離酵素と比べて安定性がはるかに高かった。シリカナノ粒子の物理的特性によって、連続反応槽での使用が可能となった。酵素固定化に生物シリカを用いることで、シリカ基質の優れた支持体特性と酵素活性を保つ穏和な固定化法とが結びつけられる。 Full text PDF 目次へ戻る