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ファージポリメラーゼで合成したsiRNAおよびssRNAによるインターフェロンの誘導

Nature Biotechnology 22, 3 doi: 10.1038/nbt940

低分子干渉RNA(siRNA)は、目的とする転写後遺伝子サイレンングを誘導する有効な試薬であり、哺乳類細胞研究に用いる新規遺伝子ツールの主要なものである。siRNAの有効性にはばらつきがあるため、遺伝子サイレンシングへの合成siRNAの使用は費用がかさむ場合がある。化学合成siRNAの代替物には、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼで合成するsiRNAがある。T7 RNAポリメラーゼ系で合成したsiRNAによって、インターフェロンαおよびβがさまざまな細胞株で強力に誘導されることがわかった。意外にも、インターフェロンαおよびβは、T3、T7およびSp6 RNAポリメラーゼで転写された低分子一本鎖RNA(ssRNA)でもきわめて強力に誘導された。この応答を媒介していると考えられる物質の解析から、インターフェロンの誘導には5'末端の三リン酸が必要であることがわかった。本論文では、siRNAの有効性を完全に維持したままインターフェロンの誘導を緩和する改良型のT7 siRNA合成法を紹介する。

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