Article 生細胞蛍光バイオセンサーによる細胞分裂時計の精度の研究 2004年3月1日 Nature Biotechnology 22, 3 doi: 10.1038/nbt941 有糸細胞分裂の正確な時間的調節は、高精度な細胞複製に不可欠である。しかし、細胞分裂時計の時間測定は困難なものとなっている。本論文では、並列全反射蛍光(TIRF)顕微鏡を用いて核膜の崩壊(NEB)から再構成までを観察する蛍光細胞分裂バイオセンサーを紹介する。各実験で数十から数百の細胞分裂を追跡することによって、非同調的なラット好塩基球白血病細胞の細胞分裂時計が、細胞の80%が32 ±6 分で分裂を完了するという高い精度をもつことがわかった。さらにこの測定法では、既報の最小有効量の1/100というタキソール濃度で細胞分裂時間の遅延を観察することができ、タキソールが低濃度で臨床的有効性をもつ理由が示された。RNAiを用いた制御因子Mad2のターゲティングで紡錘体チェックポイントを不活性化したときに、細胞分裂時間が一貫して短縮されたことは、チェックポイントが欠損した細胞では細胞分裂の内部計時機構がきわめて速く働くことの直接的証拠となるものである。 Full text PDF 目次へ戻る