Research Highlights 花虫類の蛍光タンパク質および色素タンパク質の分子特性および利用 2004年3月1日 Nature Biotechnology 22, 3 doi: 10.1038/nbt943 オワンクラゲAequorea victoria由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)および花虫類サンゴに由来するその蛍光性ホモログは、細胞および組織をin vivoで画像化するためのきわめて有用なツールとなっている。GFP様タンパク質ファミリーにはクローン化されたタンパク質が約100種類あるが、スペクトルおよび発色団が多様である一方で、構造特性、生化学および光物理学的特性は共通である。花虫類のGFP様タンパク質は、A. victoriaのGFP類と色および特性の異なるものが利用可能であり、分子標識および細胞内検出に用いられる新規の強力な蛍光発色団となる。花虫類のGFP様タンパク質にはGFPに対して優れた点がいくつかあるが、欠点もあり、オリゴマー化が不可欠であるほか、蛍光の成熟が遅いものおよび不完全であるものがある。この数年、こうした制約のいくつかを打破する有効な方法が示されている。また、花虫類のGFP様タンパク質のうち数種類からは、単量体赤色蛍光タンパク質および近赤外蛍光タンパク質などの新規造影剤、蛍光タイマー、および光で変色する蛍光ラベルなどが開発されてきた。この多様なタンパク質群の構造に関する今後の研究によって、動物組織での使用および細胞内バイオセンサーとしての利用がさらに促進されるであろう。 Full text PDF 目次へ戻る