Research Highlights 遺伝子組換え内部寄生細菌は植物による水溶性揮発有機汚染物質の浄化能を改良する 2004年5月1日 Nature Biotechnology 22, 5 doi: 10.1038/nbt960 水への溶解度が高い揮発性の有機生体異物は植物の根圏で完全には分解されないため、植物による浄化が効率的でないことが多い。このため、植物毒性および葉からの化学物質の気化が引き起こされ、それが別の環境問題の原因となる場合がある。本論文では、適切な分解経路を備えた内部寄生細菌によって植物内でのトルエン分解能が向上することを示す。我々は、Burkholderia cepacia G4株のトルエン分解プラスミドpTOMを天然のキバナルピナス内部寄生株B. cepaciaL.S.2.4株に導入した。表面滅菌したルピナス種子に組換え株を接種するとトルエンが著しく分解され、トルエン毒性が著明に低下するとともに、葉からのトルエン蒸散量が50〜70%減少した。この戦略は、植物による揮発性有機汚染物質の浄化効率を向上させるものと期待される。 Full text PDF 目次へ戻る