Article Streptomyces venezuelaeの抗生物質生合成遺伝子群を利用して得られるカビ由来駆虫活性環状デプシペプチドのパラ位誘導体 2004年7月1日 Nature Biotechnology 22, 7 doi: 10.1038/nbt978 強力な駆虫活性を有する環状オクタデプシペプチドPF1022Aは糸状菌Rosellinia sp. PF1022によって生産され、N-メチル-L-ロイシン4分子とD-乳酸またはD-フェニル乳酸4分子が交互に連結して構成されている。PF1022Aのベンゼン環のパラ位をニトロ基またはアミノ基で修飾して得られるPF1022A誘導体は、さらに駆虫活性の高い誘導体を合成するための有益な出発原料となる。本論文で示すのは、Roselliniasp. PF1022のPF1022A生合成経路の代謝を改変することによるその誘導体の発酵生産である。クロラムフェニコール生合成経路でコリスミ酸からのp-アミノフェニルピルビン酸の生合成に必要な遺伝子で、Streptomyces venezuelaeから単離されたもの3種類を、Rosellinia sp. PF1022由来のコリスミ酸ムターゼ欠損株で発現させた。高速液体クロマトグラフィー質量分析およびNMR分析によって、この方法がパラ位特異的に修飾されたPF1022A 誘導体の生産を促進することが確認された。この発酵法は環境面で安全であり、PF1022A誘導体の工業規模での生産に利用することができる。 Full text PDF 目次へ戻る