Letter 組換え分泌性ラッカーゼを利用したトリクロロフェノールおよびフェノール系他感物質の植物体外ファイトレメディエーション 2004年7月1日 Nature Biotechnology 22, 7 doi: 10.1038/nbt982 植物の根は、ごく近傍の化合物を分解する能力をもつさまざまな酵素を放出している。本論文では、その種の酵素のひとつである分泌性ラッカーゼの過剰発現を利用した植物体外ファイトレメディエーション機構を示す。ラッカーゼはさまざまなフェノール化合物の酸化を触媒する。基質となる2,4,6-トリクロロフェノール(TCP)などのポリ塩化フェノールは、環境中で最も危険で取り扱いの困難な汚染物質である。我々は分泌性ラッカーゼのcDNA LAC1を単離した。LAC1はGossypium arboreum(綿)の根で特異的に発現する。LAC1を過剰発現する遺伝子組換えシロイヌナズナは、TCPおよび数種類のフェノール系他感物質に対して高い抵抗性を示した。その分泌性ラッカーゼ活性によって、シナピン酸のモノラクトン型二量体への変換、およびTCPの変換が行われていた。 Full text PDF 目次へ戻る