Letter 大腸菌体内の高収量タンパク質生産を誘導する寒冷ショック 2004年7月1日 Nature Biotechnology 22, 7 doi: 10.1038/nbt984 低温で大腸菌にタンパク質を過剰発現させると可溶性および安定性が向上する。今回我々は、cspA遺伝子の特徴を利用して一連の発現ベクターを作製し、pColdベクターと命名した。このベクターは寒冷ショックによる誘導でクローン化遺伝子を高発現した。大腸菌のEnvZ ATP結合ドメイン(EnvZ-B)およびアフリカツメガエル(Xenopus laevis)のカルモジュリン(CaM)など、きわめて高い収率で生産されるタンパク質があった。pColdベクター系を利用すれば、同位元素を導入した標的タンパク質を選択的に生産させて、細胞溶解液中でのタンパク質の性質をNMR分光法で解析することも可能である。原核生物および真核生物に由来する38遺伝子をpCold系およびpET14系にクローン化したところ、pColdベクターは現在広く使用されているpETベクターを高度に補うものであることがわかった。 Full text PDF 目次へ戻る