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環境メタゲノムライブラリーから代謝系遺伝子を単離するための基質誘導性遺伝子発現スクリーニング

Nature Biotechnology 23, 1 doi: 10.1038/nbt1048

最近、環境中の微生物の大半は培養が困難なものであることが知られるようになり、有用遺伝子のクローニングは環境メタゲノムから直接行われるようになってきた。メタゲノム・アプローチに用いられているスクリーニング法には、ヌクレオチド配列に依存する方法および酵素活性に依存する方法の2種類がある。本研究では、新規代謝系遺伝子の単離に適した第三のスクリーニング法として基質誘導性遺伝子発現スクリーニング法(SIGEX法)を導入し、その最適化を行った。SIGEX法が依拠するのは、一般に代謝系遺伝子の発現が関連基質によって誘導され、代謝系遺伝子に近接する調節因子によって制御されていることが多いという知見である。SIGEX法の処理量を向上させるために、ショットガン・クローニングに適したオペロントラップ用gfp発現ベクターを作製し、蛍光活性化細胞選別法で培養液から陽性クローンが選択されるようにした。SIGEX法の有用性は、芳香族炭化水素が発現を誘導する遺伝子を地下水メタゲノムライブラリーからクローニングし、ゲノムインフォマティクス解析することによって裏づけられた。

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