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プリオンタンパク質欠損ウシの作製

Nature Biotechnology 25, 1 doi: 10.1038/nbt1271

プリオン病は、正常な細胞にあるプリオンタンパク質PrPcの折りたたみに異常が生じたものが増殖するために発生し、ウシではPrPBSEがウシ海綿状脳症(BSE)を、ヒトではPrPCJDがクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を引き起こす。マウスは自然界ではプリオン病にかからない生物種で、PrPcの発現を阻害しても明らかな異常が認められない。しかし、自然にプリオン病にかかる種でPrPcの機能を取り除いた場合にどのような影響が現れるのかは不明である。本研究では、連続遺伝子標的化システムでPrPc欠損ウシを作製し、その特徴を検討した。このウシは、20カ月齢を超える時点で、臨床的、生理学的、組織病理学的、免疫学的、および生殖的に正常である。脳組織のホモジネートをタンパク質ミスフォールディング反復増幅法によってin vitroで分析すると、プリオン増殖への抵抗性が認められる。PrPc欠損ウシは、プリオン研究に有用なモデルになるとともに、プリオンタンパク質を含まないウシ製品を提供するものとなる可能性がある。

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