Perspective

クローン動物由来の肉および乳のリスク評価

Nature Biotechnology 25, 1 doi: 10.1038/nbt1276

クローンウシの研究および商品化は20年以上前から行われてきた。初期の技術は、胚の物理的な分割または核移植への胚細胞利用によってクローン動物を作製するものであった。そのような動物から得られた乳および肉は人間用の食品として販売され、問題があることを示す証拠は何ら見つかっていない。肉および乳の優れた生産性をもたらす遺伝子型を子孫に直接伝達、保存することができる核移植技術の出現により、体細胞核移植で作製された動物に由来する製品は人間の食用として安全かという懸念が浮上してきた。クローン動物および非クローン動物に由来する食品の生化学的性質に関する研究では、今のところ何の差も見出されていない。現在までに得られている全データでは、核移植で作製された動物と通常の繁殖方法で生まれた動物では測定項目に有意差が認められていない。クローン動物由来製品が消費者に受け入れられるかどうかは、説得力のある安全性データとともに今回の米国食品医薬品局による承認に依存している。

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