Article 植物を介したRNAiによるオオタバコガP450モノオキシゲナーゼ遺伝子の抑制で幼虫のゴシポール耐性が阻害される 2007年11月7日 Nature Biotechnology 25, 11 doi: 10.1038/nbt1352 我々はオオタバコガ(Helicoverpa armigera)のシトクロムP450遺伝子(CYP6AE14)を同定した。発育阻止濃度のワタ代謝物ゴシポールに対するオオタバコガの耐性はこの遺伝子によるものである。CYP6AE14は中腸で高発現し、餌にゴシポールが含まれる場合、その発現量は幼虫の成長と相関する。CYP6AE14に特異的な二本鎖RNA(dsRNA)を発現する植物材料を幼虫に与えると、中腸では同遺伝子の転写量が低下し、幼虫の成長が遅延する。いずれの作用もゴシポールの存在下で際立っている。グルタチオン-S-トランスフェラーゼ遺伝子(GST1)のdsRNAを発現する植物ではGST1の発現が抑制されることから、dsRNAを発現する植物材料を昆虫に与えることはRNA干渉を引き起こす一般的な方法と考えられ、昆虫学研究および野外での害虫駆除に応用される可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る